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林 俊昭

林 俊昭 はやし としあき

日本チェロ協会会報 第46号 (2016年6月2日)より

1. 近況を教えてください

この4月から5年ぶりに東京芸大に 戻り、今回は室内楽を教えていま す。私自身チェロを教えることも好 きですが、室内楽を教えるのは大好きなので楽しいです。

 

2. 室内楽の魅力を教えてください。

 室内楽は、自分の出している音と 他人の出している音をよく聴いてみ んなで作って行くものなので、ソロ とは違う楽しみがあります。演奏家 より作曲家を前面に出すことが優先 されると思います。

 

3. チェロを始めたきっかけを教えて 頂けますか?

 私の父は、若いころからアマチュアでヴィオラを弾いていました。 家族でカルテットをしようと、まず兄2人にヴァイオリンを習わせてし まったため、結局チェロが私に回って来ました。

 

4. ご家族で演奏された中で、思い出に残っている曲や出来事はあります か?

 父は会社勤めをしていたので、会社の何かの会でMozartの初期のカ ルテットを演奏することになりましたが、当日私がうっかりチェロ譜を 忘れてきてしまって、父にこっぴどく怒られました。父はすごく怖い人 だったのです。結局、3分の2くらいは何とか暗譜で、残りは適当に、そ れらしく弾いて切り抜けたことをよく覚えています。お陰で演奏後は、 父も静かになりました。  長男はシュトゥットガルト室内楽団のヴィオラのトップを30年務め、 最近日本に帰りました。次男はアマチュアですが、今でも演奏しています。

 

5. イタリアで開催する「第2回デュオハヤシ国際コンクール」についてお 聞かせください。

 3年周期のVn&Pf、Vc&Pfのデュオのための国際コンクールです。私 たちもデュオを組んでから40年以上たちます。長く同じメンバーでやっ ているデュオを応援するつもりで、45才まで受けられるコンクールにし ました。課題曲も広範囲に渡っていて、長く続けているデュオに有利だ と思います。師弟関係や親子関係でなく、なるべく同等な立場のデュオ に参加してほしいので、応募対象を年齢差15歳以下と定めています。  私はイタリアに留学していた学生時代は奨学金を頂き、国立サンタ・ チェチリア・オーケストラで仕事をし、その後も現在まで毎年音楽祭や 演奏会に呼ばれているので、恩返しの意味もあってイタリアで開催して います。  外国にコンクールを受けに行くのは、演奏のほかにも不安なことが 多々あると思いますが、色々お世話もできるし、相談にも乗れるので、 どうぞ安心して受けにいらして下さい。多くのデュオの応募をお待ちし ております。

 

6. 若いチェリストに望むことはございますか?

 クラシック音楽はある意味では伝承芸術なので、譜面をソルフェー ジュしていれば良いと思わないでください。欧米に留学して、あちらで 沢山の音楽を吸収して、作曲家の気持ち、意思、作風などを理解し、イ メージして演奏して下さい。