1. 日本チェロ協会会報 第57号 （2021年4月16日）より

1.近況を教えてください 
　カルテットのマスタークラスや大学の行事が一段落したので、今は毎日の練習とカルテットの合わせを中心に比較的ゆっくり生活しながら５月以降に立て込んでいる本番やセミナーに向けて準備しています。有難いことに少しずつ演奏会の機会をいただくようになりお客様に聴いていただきながらも、まだまだ学びを深めている時期だと思います。 
 

・チェルカトーレ弦楽四重奏団としての活動について今後の展望を教えてください 

これまでの活動の中で様々な年代の作品を勉強しましたが、ベートーヴェンの緩徐楽章は別格だと感じています。調性や声部の配置などどこを取っても美しく、演奏する時には４人とも特に思い入れがあります。いつかベートーヴェンの弦楽四重奏曲全16曲を勉強したいと思っています。 

 
2.チェロを始めたきっかけを教えて頂けますか？ 
　両親がアマチュアのオーケストラでヴァイオリンとバストロンボーンをやっており、小さい頃から練習に連れられて行っていました。練習場で色々な楽器を見る中でチェロの大きさに惹かれ、大きなケースを背負うことへの憧れから５歳の時にチェロを始めました。 
 
3.一番ワクワクするときは、どんなときですか？ 
　レッスンやリハーサル、本番の後です。帰り道に振り返りをしているとその日に得た新しい知識や技術が、それまで積み重ねたものや昔に習ったものの理解できていなかったことと結び付き、スッと体に入る感覚を感じることがあります。そんな時は早く家に帰って色々試したいな、とワクワクします。 
 
4.チェロ以外に好きなことはありますか？ 
　旅行の計画を立てることです。観光地よりも田舎に行くのが好きで、地図を見ながら離島や小さな村を探したり旅館や交通手段を選んでいる時がとても楽しいです。今は気軽に出掛けられませんが、次はどこに行こうか考えている時間が好きです。他にはスキーです。なかなか家族の予定が合わず年に１回しか行けないのですが、毎年楽しみにしています。 

5.今後どのようなチェリストとして活動していきたいか教えてください。 
　ソリストやオーケストラ奏者など具体的にどの分野で活動するかはまだ分かりませんが、いつでもどこでも周りから必要とされるチェリストで在りたいと思っています。様々な編成に必要な楽器であるからこそ、色々な人と共演する機会も多いのではないでしょうか。音楽面はもちろん人間的にも魅力ある人でいたいです。学び続ける姿勢を大切に、何より私自身が音楽を楽しみ音楽に共感できる演奏家でいることを心掛け、この先も長くチェロを弾いていけたら良いです。