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小川 剛一郎

© Kazuya AKASHI

小川 剛一郎 おがわ ごういちろう

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  1. 日本チェロ協会会報 第54号 (2019年12月27日)より

1. 近況を教えてください
1993 年に結成した『トリオ・ミンストレル』は27 年目を迎え、秋には全国ツアーを予定しています。メンバーの北住氏(ピアノ)とは彼の師匠伊達純が私の大叔父で、彼の紹介で学生時代に知り合いました。木野氏(ヴァイオリン)は桐朋学園の後輩です。パリ留学から帰国後暫くして、それぞれ別の仕事で共演しました。彼等とTrio を組んでみたいと思っていたところ、四日市からリサイタルの依頼がありました。主催者に無理を言ってリサイタルをトリオコンサートに変更していただき、ミンストレルのデビューとなった訳です。毎年9 月〜10 月に集まることから南仏に吹く台風の様な風(Mistral)と吟遊詩人(Ménestrel)の2つの意味を込めて「Minstrels」と命名しました。27 年続けて来るのに大変だった事は一度もありません。毎回毎回3人とも楽しくて仕方がないと思いながら演奏しております。ツアーの前には4 日間伊豆のホテルで合宿を組んで本番に備えております。練習の後はプールと温泉、美味しい海の幸、伊豆牛のBBQ 等それもこの合宿の楽しみでもあります。また、2004 年に始めた『チェロ合宿』は今年で第17 回目となります。各教室の門下生が一同に集まり、集中練習や合奏を行っています。一昨年始めた『バッハを弾く会』は無伴奏チェロ組曲を生涯弾き続ける企画です。また、岐阜、帯広、札幌で行っている『Trio クリニック』では、各楽器の生徒さんが先生とトリオを組んで演奏する企画を実施しており、今年から東京での開催を考えております。

2. チェロを始めたきっかけは?
小3 の時にチェリストだった祖父に1/2 の楽器を与えられてチェロを始めました。井上頼豊先生は祖父の弟子という事もあり、毎週の祖父のレッスンに加えて、月に一度井上先生のレッスンを受けるという恵まれた環境でした。が、サボってばかりで叱られていました。

3. 一番ワクワクするときは、どんなときですか?
本番が無事に終わり、打ち上げの席に並んだご馳走を前にして運ばれてくる、よ〜く冷えた生ビールに手をのばす時です。

4. チェロ以外に好きなことはありますか?
絵を描く事です。桐朋学園高校を受験するときに、音楽の道に進むか美術の道に進むか真剣に悩みました。

5. プロのチェリストを目指している学生や若いチェリストに望むことはありますか?
2 つ程ありまして、1 つは、出来るだけたくさん『生』の音を聴くことを勧めます。イヤホンやヘッドホンの音、機械が作った音に慣れてしまわないよう注意してほしいです。
2 つ目は、演奏家はスポーツ選手以上に体力が必要です。そのため、身体づくりの習慣をつけることを勧めます。肉体も精神も元気であれば良い音楽が生まれると信じております。

6. コングレスに向けてメッセージをお願いいたします。
昔からチェリスト達は集まるのが好きだったようです。E. フォイアマンが来日した折り、当時の「日本チェロ協会」が巨匠を歓迎しました。独奏から大人数の合奏まで同じ楽器で様々な演奏が可能なチェロの魅力を堪能できるこの企画が、これからも永く続いていくことを願っております。